事業報告書等
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質問と回答
事業計画書及び活動予算書については、法人の設立申請時及び定款変更時に所轄庁へ提出する必要がありますが、毎年所轄庁に提出したり、閲覧させたりする義務はありません。しかし、NPO法人自身が当該事業年度の正味財産の増減原因等を事前に把握し、適切に法人運営を行うに当たって実務上有用な書類であるといえるため、経常的に作成することを妨げるものではありません。
事業報告書、活動計算書及び貸借対照表は、設立後最初の決算が行われるまでは作成されませんので、備え置く必要はありません。
しかし、財産目録については、設立の時に作成して備え置くことが義務付けられています(法14)。
法第28条第3項の規定に基づき、その時点において「事業報告書等」「役員名簿」「定款等」として備置期間内の有効なもの、すなわち「役員名簿」「定款等」は最新のものを閲覧させることとなります。
開示書類の謄写については、請求者本人が行うこととされているので、情報公開制度のように、行政機関が写しを交付する仕組みとは異なります。したがって、所轄庁が自ら謄写行為を行うこととして、当該行為に係る手数料を取ることは不適当だと考えられますが、閲覧・謄写が行われる場所にコピー機等を設置し、実費(コピー代及び紙代等)を徴収することは、当事者間の合意に委ねられることとなります。
届出事項と認証事項をまとめて申請書として提出した場合、これらをまとめて認証又は不認証の決定がなされます。したがって、お尋ねのケースのように不認証決定がなされた場合は、別途当該届出書事項のみを変更した定款を添えて、定款変更届出書を提出する必要があります。
貸借対照表の公告に係る規定 (法第28条の2) の施行日は、「公布の日から起算して2年6か月以内の政令で定める日」(平成28年改正法附則第1条第1項第2号) となり、平成30年10月1日と規定されています(「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」(平成29年政令第300号))。よって、NPO法人は平成30年10月1日以後に作成する貸借対照表について公告する必要があります。
ただし、経過措置として、平成30年10月1日より前に作成した貸借対照表で直近の事業年度のもの (以下、「特定貸借対照表」といいます。) についても、公告する必要があります。この場合、公告のタイミングは、
- 平成30年10月1日までに公告する
- 平成30年10月1日以後遅滞なく公告する
のどちらかを選択していただくこととなります。
貸借対照表の公告は、定款で定めた方法により行っていただく必要がありますので、現在定款で定めている公告方法を変更する場合は、1. もしくは 2. の特定貸借対照表の公告までに、定款を変更する必要があります。
定款を見た市民や利害関係者にとって当該NPO法人の貸借対照表がどのような手段により、どのような媒体において公告されているかが明らかになる程度に明確に定めていただく必要があります。
具体的には、
- 官報に掲載する方法を選択する場合は、例えば、「官報に掲載」と記載してください。
- 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法を選択する場合は、例えば、「○○県において発行する○○新聞に掲載」など具体的に記載してください。
- 電子公告の方法を選択する場合は、例えば、「この法人のホームページに掲載」、「内閣府NPO法人ポータルサイト(法人入力情報欄) に掲載」など具体的に記載してください。他方、URLまで定款に記載する必要はありません。
- 不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置を選択する場合は、例えば、「この法人の主たる事務所の掲示場に掲示」など具体的に記載してください。
公告方法を「A及びBによる方法とする」といったように複数の手段を重ねて選択することは可能ですが、「A又はBによる方法とする」といったように公告方法を選択的に定めることは認められないと考えられます。
これは、定款を見た市民や利害関係者がどちらの方法で公告されているかが明らかではないためです。
平成28年改正前の特定非営利活動促進法では、NPO法人は、
において公告することが義務付けられており、1. 及び2. の公告は官報に掲載してすることとされています。
法第11条第1項第14号では、定款において公告方法を記載しなければいけないと規定されています。今回の法改正で新たに加わった貸借対照表の公告も含めて法人としての公告方法を定款に記載していただくこととなりますが、例えば、「この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、官報に掲載して行う。ただし、法第28条の2第1項に規定する貸借対照表の公告については、○○県において発行する○○新聞に掲載して行う。」といったように貸借対照表の公告方法のみを別途規定することは可能です。
電子公告の方法として内閣府令で定める「インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用するもの」(法規第3条の2第1項) とは、要するにインターネット上のウェブサイトに公告事項を掲載することをいいます。当該ウェブサイトは、NPO法人自身が管理運営するものでもよいし、第三者が管理運営するものであって当該NPO法人が直接掲載するものや第三者に委託し掲載するものであっても構いません。
掲載については「不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く」(法第28条の2第1項第3号) ことが必要ですので、判断に当たっては、例えば、無料で、かつ、事前に登録したパスワード等を入力することなしに閲覧できる状態にあるのか、法定公告期間中継続して掲載することが可能か、などを踏まえる必要があります。
SNSをはじめインターネットを利用して情報を発信できるサービスが近年増えていますが、提供されるサービスの内容や利用規約等はそれぞれ異なっています。電子公告にあたっては、個々のサービスごとにその内容等を踏まえて電子公告の掲載場所としてふさわしいかどうかを判断してください。
例えば、あるNPO法人がLINEのトークに貸借対照表を投稿した場合、他の人がその貸借対照表を閲覧するには、サービスを利用するために登録行為をしなければなりません。これは、「事前に登録したパスワード等を入力することなしに閲覧できる状態」とは言えませんので、LINEは電子公告の方法としてふさわしくないと考えられます。
掲載金額の単位については「千円」とするなど、適切な単位をもって公告するものをいいます。
また、掲載科目の範囲については、各法人の事業活動の内容、規模、財務状況等の具体的事情に応じて、各法人ごとに重要な項目に適切に区分し、それぞれの合計額を掲載した事項を公告するものをいいます。