目的・定義等


質問一覧

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制度概要 目的・定義等 質問一覧
Q 1-1-1 NPO法人制度について簡単に教えて下さい。
Q 1-1-2 NPO法人格を取得した場合のメリットはどのようなものがありますか。
Q 1-1-3 認証の法的性質とは何ですか。認証された法人は信頼できる法人といえますか。
Q 1-1-4 NPO法人格を取得した場合の義務としてはどのようなものがありますか。
Q 1-1-5 NPO法人になるためには登記が必要とされていますが、「認証」と「登記」の関係はどのようになっているのですか。
Q 1-1-6 NPOとNGOとの違いは何ですか。
Q 1-1-7 NPO法人の情報公開については、どのような制度となっていますか。
Q 1-1-8 NPO法人格の悪用を防ぐためにどのような規定が設けられていますか。
Q 1-1-9 NPO法人に対する所轄庁の監督はどのような場合に行うのですか。
Q 1-1-10 NPO法人の認証が取り消されるのはどのような場合ですか。
Q 1-1-11 認定NPO法人制度とは、どのような制度でしょうか。

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質問と回答

 

1-1-1 NPO法人制度について簡単に教えて下さい。

 

社会の様々な分野において、ボランティア活動をはじめとした民間の非営利団体による社会貢献活動が活発化し、その重要性が認識されています。

これらの団体の中には、法人格を持たない任意団体として活動しているところも多数あります。そのため、銀行で口座を開設したり、事務所を借りたり、不動産の登記をしたり、電話を設置するなどの法律行為を行う場合は、団体の名で行うことができないなどの不都合が生じることがあります。

は、これらの団体が簡易な手続きで法人格を取得する道を開くための法人格付与制度です。

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1-1-2 NPO法人格を取得した場合のメリットはどのようなものがありますか。

 

法人格を取得することによる一番の法的なメリットは、団体名義で契約を締結することができる、土地の登記をできるなど、団体がいわゆる「権利能力の主体」となり、団体の代表者個人としての名義を使うことなく、団体自身の名義において権利義務の関係を処理できる点にあります。

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1-1-3 認証の法的性質とは何ですか。認証された法人は信頼できる法人といえますか。

 

「認証」とは、ある行為が法令に適合しているのかどうかということを審査し確認をしてその判断を表示する行為として一般的に使用されているものです。法では、設立要件の判断において所轄庁の裁量の余地は極めて限定されており、所轄庁は団体の申請が第12条に規定する設立要件に適合すると認めるときには、認証しなければならないとされています。また、その確認手段も実態審査ではなく「書面審査」によって行うことが原則とされています。

このため、所轄庁の認証によってその団体の信頼性が保証されるものではありません。公開されている情報などをもとにして、市民一人一人が判断することが求められています。

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1-1-4 NPO法人格を取得した場合の義務としてはどのようなものがありますか。

 

法人は法律・定款で定められた範囲で権利義務を負うことになりますので、の規定に従う必要があります。

例えば、毎事業年度の定期的なものとしては、事業報告書等の事務所での備置き、所轄庁への提出等行う必要があります。また、税金の関係では、法人税法に規定された収益事業から生じる所得に対して、国税である法人税や地方税である法人住民税(法人税割)、事業税が課税されます。なお、法人住民税(均等割)は、所得の有無にかかわらず原則として課税されます。

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1-1-5 NPO法人になるためには登記が必要とされていますが、「認証」と「登記」の関係はどのようになっているのですか。

 

NPO法人は、所轄庁の認証を受けただけでは、法人として成立したことになりません。認証された後、法令に基づいて登記してはじめてNPO法人として成立します。これは、登記が法人の成立要件であるためです。

また、登記が完了したときは、遅滞なく登記事項証明書を添付した届出書を所轄庁に提出しなくてはいけません。

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1-1-6 NPOとNGOとの違いは何ですか。

 

NPO(Non Profit Organization)は、継続的、自発的に社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体の総称です。「NPO法人」という場合には、NPO法に基づき法人格が付与されたNPO法人を指すことが一般的とされていますが、単に「NPO」という場合、法人格の有無は関係ありません。

他方、NGO(Non Government Organization)は、もともと国連の場で使われはじめた言葉であり、会議への参加などを通じて国連諸機関と協力関係にある政府以外の組織のことを政府代表と区別するための呼称です。営利を目的としない民間団体で、主として開発、人権、環境など、地球規模の問題に取り組む団体を指すことが多いものの、NPO法人との包含関係は特にありません。勿論、NPO法の要件さえ満たせば、いわゆるNGOであっても法人格が付与されます。また、どの法人制度を活用するかについては、団体の自主性に委ねられています。

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1-1-7 NPO法人の情報公開については、どのような制度となっていますか。 【第10条、第28条、第30条】

 

法人運営の自主性を尊重し、情報公開を通じた市民の選択・監視を前提とした制度となっている点が大きな特徴です。そのため、ほかの法人制度には例をみないような情報公開制度が整備されています。具体的には、

  1. 認証申請時における所轄庁での公表・縦覧制度(10)
  2. 利害関係人に対するNPO法人の事務所における事業報告書等の閲覧制度(28)
  3. 一般人に対する所轄庁での事業報告書等の閲覧制度(30)

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1-1-8 NPO法人格の悪用を防ぐためにどのような規定が設けられていますか。 【第12条、第20条】

 

NPO法人を隠れ蓑にして違法不当な行為を行うことは防がなくてはなりませんが、特に暴力団によるNPO法人格の悪用が懸念されることから、暴力団の排除の実効性を確保する観点から、以下の点について規定しています。

  1. 暴力団等の排除のために第12条に規定されている認証基準において、NPO法人の要件に抵触する暴力団等の範囲として以下のとおり規定
    • 暴力団
    • 暴力団の統制下にある団体
    • 暴力団の構成員(暴力団の構成団体の構成員を含む。以下同じ)若しくは暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過しない者 (以下「暴力団の構成員等」という)の統制下にある団体
  2. 第20条の役員の欠格事由として、「暴力団の構成員等」を規定
  3. 所轄庁から警察当局への意見聴取及び警察当局から所轄庁への意見陳述

なお、これらの規定は、監督段階だけでなく、認証段階においても準用されます。

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1-1-9 NPO法人に対する所轄庁の監督はどのような場合に行うのですか。 【第41条、第42条、第43条】

 

法においては、情報公開を通じて広く市民の監督下におき、市民による緩やかな監視、あるいはこれに基づくNPO法人の自浄作用による改善発展を前提とした制度であることから、NPO法人に対する監督においても行政の関与を極力抑制しています。

しかし、必ずしもこのような措置だけでは解決できない事態も予想されることから、最後の是正手段として、必要最小限度の所轄庁による以下の3つの監督規定が設けられています。

  1. 法令等に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるときに行う報告徴収及び立入検査(41)
  2. 法人が法第12条第1項に規定する認証基準を満たさなくなったときや法令等に違反したとき、又は法人運営が著しく適正を欠くと認めるときに行う改善命令(42)
  3. 改善命令に違反した場合であって、他の方法によって監督の目的を達することができないときや、3年以上にわたって事業報告書等を提出しないときや、法令違反の場合において改善命令によってはその改善を期待することができないことが明らかであり、かつ、他の方法により監督の目的を達することができないときに行う認証の取消し(43)

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1-1-10 NPO法人の認証が取り消されるのはどのような場合ですか。 【第43条、第42条】

 

所轄庁がNPO法人の設立の認証を取り消すことは、NPO法人の法人格を剥奪し、解散させることとなるものです。このため、第43条にあるとおり以下の場合に限定されており、慎重な手続きが求められています。

  1. 改善命令(42)に違反した場合であって、かつ、他の方法によって監督の目的を達することができない場合
  2. 3年以上にわたって事業報告書等の提出を行わない場合

なお、極めて例外的な場合ですが、法令違反の場合において、改善命令によってはその改善を期待することができないことが明らかであり、かつ、他の方法により監督の目的を達することができない場合に限り、改善命令を経ることなく設立認証を取り消すことができるとされています。

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1-1-11 認定NPO法人制度とは、どのような制度でしょうか。

 

NPO法人のうち、一定の基準等に適合するものとして所轄庁の認定又は特例認定を受けた法人に対して支出した寄附について、次のような税制上の優遇措置が講じられています。

  1. 個人が認定NPO法人等に対し、その認定NPO法人等の行う特定非営利活動に係る事業に関連する寄附(その寄附をした者に特別の利益が及ぶと認められるものを除きます)をした場合は、次のいずれかの控除を選択適用できます。
    • イ その寄附に係る支出金を特定寄附金とみなして、寄附金控除(所得控除)の適用(措法41の18の2【1】)
    • ロ その寄附に係る支出金について、認定NPO法人等寄附金特別控除(税額控除)の適用(措法41の18の2【2】)
  2. 個人が認定NPO 法人等に対し、土地、建物、株式等の現物資産を寄附した場合のみなし譲渡所得税について、その寄附財産を基金に組み入れる方法により管理するなどの一定の要件を満たす場合、国税庁長官の非課税承認又は不承認の決定が申請から一定期間内に行われなかったときに自動的に承認があったものとみなされます。
    また、非課税措置の適用を受けた寄附資産について、基金に組み入れて管理し、その後買い換えた資産を当該基金の中で管理する等の一定の要件を満たす場合には、国税庁長官へ必要書類を提出することで、引き続き非課税措置の適用を受けることができます(措法40)。
  3. 法人が認定NPO法人等に対し、その認定NPO法人等の行う特定非営利活動に係る事業に関連する寄附をした場合は、一般寄附金の損金算入限度額とは別に損金算入限度額が設けられています。
    認定NPO法人等に対する上記の寄附金の額については、特定公益増進法人に対する一定の寄附の金額と合わせて、特定公益増進法人に対する寄附金の特別損金算入限度額(以下「特別損金算入限度額」といいます)の範囲内で損金算入が認められます。
    • なお、これらの合計額が特別損金算入限度額を超える場合には、その超える部分の金額は一般寄附金の額と合わせて、一般寄附金の損金算入限度額の範囲内で損金算入が認められます(法人法37【4】、措法66の11の3【2】)。
  4. 相続又は遺贈により財産を取得した者が、その取得した財産を相続税の申告期限までに認定NPO法人(特例認定NPO法人は対象となりません)に対し、その認定NPO法人の行う特定非営利活動に係る事業に関連する寄附をした場合は、その寄附をした者又はその親族等の相続税又は贈与税の負担を不当に減少する結果となる場合を除き、その寄附をした財産の価額は相続又は遺贈に係る相続税の課税価格の計算の基礎に算入されません(措法70【1】【10】)。
  5. 認定NPO法人(特例認定NPO法人は対象となりません)の収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業で特定非営利活動に係る事業に該当するもののために支出した金額をその収益事業に係る寄附金の額とみなすとともに(みなし寄附金)、寄附金の損金算入限度額は、所得金額の50%又は200万円のいずれか多い額までとなります(法人法37【5】、法人令73【1】、法人規22の5、措法66の11の3【1】)。

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