共助社会づくりシンポジウム パネルディスカッション【1】 – 3

パネルディスカッション【1】 「NPO法施行15年の回顧と共助社会の時代に向けて」

共助社会づくりシンポジウム パネルディスカッション【1】 様子4

目次

  1. 自己紹介、NPOとの関わりについて
  2. この15年間の変化、足りない点とその原因・課題等について
  3. 寄附文化、ボランティア文化の醸成、市民参加の促進のために何が必要か
  4. ソーシャルビジネス、企業による社会貢献活動の今後の展開への期待

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3.寄附文化、ボランティア文化の醸成、市民参加の促進のために何が必要か

【山岡氏】
NPOは企業との協働ができていると思います。加えて、地域にある地縁組織、地域産業組織など、長い伝統の中で関係があるものとの三者の関係を、どのように作っていくのかを考える必要があります。

参加は基本的には個人であり、協働は組織と組織です。この関係をしっかりと踏まえた上で、仕組みを作らなければなりません。

特にNPOについては、参加、ボランティア、寄附等、色々な形の参加の仕組みを作っていかなければなりません。参加なき協働は癒着の始まりと考えています。参加と協働のそれぞれの意味を踏まえて議論を行い、政策や仕組みを作っていくことが重要であり、まさにその両方を合わせて共助社会になっていくのではないかと考えております。

【松原氏】
寄附は、震災の時には一時的に増加するものの、その後は一定額をキープしており、ボランティア活動は全体的に増えてきていますが、NPO法人のボランティア活動は増えているとは言い難い状況です。参加・協力者に関しては、平成17年より減ってきています。NPOに参加・協力するにあたり、誰のための制度なのか、という話ですが、支援者と被支援者ということを考えた際に、支援者を満足させる仕組みが十分にできていないために、寄附やボランティアが継続しないのだと思います。NPOに支援をした時に、成果が出て、自分たちが参加してやったという満足をどれくらいきちんと提供できているか、ということが重要です。

NPOの活動は支援者と非支援者をつなぐためのものという、新しい捉え方をした制度設計や支援制度、マネジメントができないと、NPO法人の発展はなかなか難しいと思います。

【佐藤氏】
個人の寄附・ボランティアの参加をどのように促していくのかと言う点で、企業の広がりをうまく利用できるのではないかと思います。経団連の会員企業でも、社員による寄附を後押しする仕組みを作って、寄附文化を醸成しようとしています。長続きさせるために、社内で寄附組織を作り、加盟者の給与を天引きしてお金を集めるといったことがかなりの企業で始まってきています。

またボランティアに関しても、長続きさせるためには、ボランティア休暇制度の導入や、退職者にボランティア活動への参加を促進することなどにより文化として根付かせることに、企業はもっと取り組んでいかなければなりません。この一つとして注目されるのが、企業が持つノウハウを活かしたプロボノであり、これからどんどん進んでいけば良いと思います。

 

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