認定の判定 PST全般(1号基準)


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認定について 認定の判定 PST全般(1号基準) 質問一覧
Q 3-2-1 認定の有効期間の更新において、認定時とは異なるパブリックサポートテスト(PST)基準を採用することは可能ですか。例えば、認定時は『相対値基準』を用いて認定を受けた後、更新時は『絶対値基準』を用いることは可能ですか。
Q 3-2-2 PSTの判定に当たって、会費を寄附金として取り扱うことはできるのでしょうか。
Q 3-2-3 寄附者の氏名(名称)だけ判明していれば、その寄附金は、PSTの判定に含めてもよろしいでしょうか。
Q 3-2-4 PST判定上の寄附者とみなされるためには、寄附者の氏名、住所が分かっている必要がありますが、寄附者の住所が海外である場合でもPST判定上の寄附として認められるのですか。
Q 3-2-5 車両を●●財団等の助成事業で譲り受けた場合、会計上の処理としては、寄附(市場評価)で計上するということですが、その場合はPST判定上、寄附金として判断してよいですか。
Q 3-2-6 認定NPO法人等に賛助会費を支払った賛助会員は寄附金控除の適用を受けることができるのですか。
Q 3-2-7 町内会、自治会、サークルなどの任意団体から寄附があった場合、1者からの寄附金と考えて問題ないですか。また、任意団体が、申請法人の後援会(会長が申請法人の理事長)の場合でも、同様に考えて問題ないですか。
Q 3-2-8 PSTの判定上、寄附金として取り扱う場合は、寄附者に対して必ず領収書を発行しなければならないのですか。また、認定NPO法人等に寄附した寄附者が寄附金控除を受けるために確定申告を行う場合は、口座振込の控えで足りるのですか。
Q 3-2-9 定款や規約等から判断して、明らかに贈与と認められる会費について、名称の有無にかかわらず、PST判定上、寄附金として取り扱うことができる(手引き 272頁)とされていますが、これは賛助会費のみについてであり、正会員の会費については寄附金として取り扱うことは認められないのですか。認定申請において、「規定の正会費を上回る額を納めた場合にあってはその差額を寄附として扱う」ことを決めた議事録が添付されても、正会費の受領時点で正会費と区分して、差額部分は受取寄附金として受領した経理処理をしていなければ、寄附には当たらないのですか。
Q 3-2-10 PSTの判定上、賛助会費を寄附金として計上するためには対価性が認められないことが条件になっています。この対価性について、例えば、10,000円の賛助会費を払えば、施設利用等で5,000円の割引が受けられる場合、対価性はあるものの、その対価はあくまで5,000円の割引部分のみと考えてよいですか。つまり、10,000円の賛助会費から割引分を引いた残りの5,000円分については、対価性がないものとして寄附として取り扱うことはできますか。それとも、賛助会費の一部分の金額であっても対価性が認められれば、その対価が何割であろうと当該賛助会費は寄附金とみなすことはできないのですか。
Q 3-2-11 民間からの助成金を受けている場合で、その募集要項に「助成金を使用した事業については、●●財団助成金であることを明記してください。」といった記載が ある場合は当該財団の広報活動が対価として求められているものであり、対価性のある助成金と考えられますか。また、当該事案が、対価性のある助成金とされる場合であっても、実際に行った事業において、その性質上、「●●財団助成金」という記載がなされず、その旨を当該助成金を出した財団からも了承を得られた場合には、対価性のない助成金と認めてよいですか。
Q 3-2-12 現在、会員の会費を3,000円と定めていますが、会費を1,000円に変更し、代わりに正会員より2,000円の寄附金を募ることとした場合には、正会員から受領した寄附金はPSTの判定上、受入寄附金総額に含めることができるのですか。
Q 3-2-13 認定NPO法人等が、「寄附金額が1,000円の寄贈者には粗品Aを、寄附金額5,000円の寄贈者には粗品Bをお渡しします。」という寄附募集を行っている場合、当該寄附募集において受領した1,000円ないし5,000円の金銭をPST上の受入寄附金総額に含めることができるのですか。寄附金に該当しない場合、金銭の提供者は所得控除や税額控除の適用を受けることができないことになりますが、領収書の発行及び内容についてはどのようにしたらよいですか。
Q 3-2-14 NPO法人等が寄附者から古本を寄贈(現物寄附)され、当該古本を業者に買い取ってもらったところ5千円に換金できました。この場合、当該古本(現物寄附)の換金額を寄附金としてPSTの判定に含めてよろしいでしょうか。
Q 3-2-15 NPO法人の設立に当たり、当該NPO法人の前身の団体から財産を受け入れた場合には、当該受入財産については寄附として 「総収入金額」及び「受入寄附金総額」に含めて計算してもよろしいのでしょうか。
Q 3-2-16 クレジットカードや振込みなどによる寄附について、PSTの判定上、寄附金として取り扱うことができますか。
Q 3-2-17 特例認定法人になった後に多くの寄附金をいただくことができ、PST基準を満たせそうなので、今度は認定申請を検討しています。この場合、認定申請に当たっての実績判定期間は何年になるのでしょうか。
Q 3-2-18 NPO法人への寄附金のお礼として、返礼品をお返ししてもよいのでしょうか。その場合、どの程度であればPSTの算入の基礎となる寄附金として取り扱っていいのでしょうか。

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質問と回答

 

3-2-1 認定の有効期間の更新において、認定時とは異なるパブリックサポートテスト(PST)基準を採用することは可能ですか。例えば、認定時は『相対値基準』を用いて認定を受けた後、更新時は『絶対値基準』を用いることは可能ですか。 【第45条1項1号】

 

有効期間の更新におけるPST基準の採用については、法上、継続適用等の特段の制限を置いていないため、申請時と異なるPST基準で更新の申請することは可能です。

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3-2-2 PSTの判定に当たって、会費を寄附金として取り扱うことはできるのでしょうか。 【第45条1項1号】

 

「寄附金」とは、支出する側に任意性があり、直接の反対給付がない経済的利益の供与と考えられます。一方、「会費」とは、サービス利用の対価又は会員たる地位にあるものが会を成り立たせるために負担すべきものであって、寄附金と異なり対価性を有するものと考えられます。

したがって、会員から受領する「会費」については、一般的には、PSTの判定上、寄附金の額として取り扱うことはできません。

ただし、会費という名目であっても、定款や規約等から実質的に判断して、明らかに贈与と認められる会費(すなわち対価性が認められない会費(注)。いわゆる「賛助会費」がこれに該当する場合が多いと思われます)については、その名称にかかわらず、PSTの判定上、寄附金として取り扱って差し支えないこととしております。

なお、絶対値基準においても同様に、定款や規約等から実質的に判断して、明らかに贈与と認められる会費については、その名称にかかわらず、PSTの判定上、寄附金として取り扱って差し支えないこととしております。

(注) 対価性の有無の判断に当たっては、例えば、不特定多数の者に対して無償で配布される機関誌等を会員が受け取っている程度であれば、対価性がないものとして取り扱われます。

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3-2-3 寄附者の氏名(名称)だけ判明していれば、その寄附金は、PSTの判定に含めてもよろしいでしょうか。 【第45条1項1号】

 

PSTの判定上寄附金として取り扱わないこととされている「寄附者の氏名(法人・団体にあっては、その名称)及び その住所が明らかな寄附金以外の寄附金」とは、寄附者の確認(寄附者の特定)ができない寄附金のことを指しますので、PST上の 寄附金として取り扱うためには、寄附者が確認(特定)できること、つまり、氏名(名称)のみならずその住所又は主たる事務所の所在地も明確になっている必要があります。

したがって、お尋ねのような、氏名(名称)以外分からない寄附金については、PSTの判定上の寄附金として取り扱うことはできません(注)。

例えば、口座振込による寄附金で氏名以外分からない場合には、寄附者が特定されているとはいえず、「寄附者の氏名又は名称及びその住所又は主たる事務所の所在地が明らかな寄附金以外の寄附金」に該当し、PSTの判定上、寄附金として取り扱わないこととなります。

(注) 相対値基準で小規模特例の適用を受ける場合には寄附金として取り扱うことができます。

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3-2-4 PST判定上の寄附者とみなされるためには、寄附者の氏名、住所が分かっている必要がありますが、寄附者の住所が海外である場合でもPST判定上の寄附として認められるのですか。 【第45条1項1号】

 

海外在住の寄附者であっても氏名、住所が分かっていれば、PSTの計算に算入することは可能です。

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3-2-5 車両を●●財団等の助成事業で譲り受けた場合、会計上の処理としては、寄附(市場評価)で計上するということですが、その場合はPST判定上、寄附金として判断してよいですか。 【第45条1項1号】

 

経済的価値のある「車両」に該当する場合には、受入時の時価(新車であれば新車販売価格、中古であれば中古車市場価格等)で適正に評価し、PSTの判定において寄附金の額に含めることができます。

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3-2-6 認定NPO法人等に賛助会費を支払った賛助会員は寄附金控除の適用を受けることができるのですか。 【第45条1項1号】

 

当該賛助会費に任意性が認められ、対価性がないことが明らかな場合には、PSTの判定上、賛助会費を寄附金として取り扱うことができます(手引き 272頁(問27)参照)。

この場合、当該賛助会費が認定NPO法人等の特定非営利活動に係る事業に関連する支出金であれば、寄附金控除の適用の対象となります(支出した賛助会員に特別の利益が及ぶと認められる支出金は除きます)。

寄附金控除の適用を受けようとする賛助会員は、認定法人等から必要事項 (1.認定法人等の名称、2.所在地、3.所轄庁からの認定等通知書に記載された番号、4.受領した寄附金の額、5.受領年月日、6.どのような特定非営利活動に係る事業に関連する寄附金であるか)が記載された領収書(注)(認定NPO法人等寄附金特別控除(税額控除)の適用を受けるためには、寄附者の氏名及び住所も併せて記載されている必要があります)を受け取り、当該領収書を確定申告の際に添付又は提示する必要があります。

(注) 認定NPO法人等が発行する領収書の記載例は以下に掲載されておりますのでご参考ください。

記載例:寄附金受領証明書(PDF形式:81 KB)

解説:記載のポイント(PDF形式:491 KB)

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3-2-7 町内会、自治会、サークルなどの任意団体から寄附があった場合、1者からの寄附金と考えて問題ないですか。また、任意団体が、申請法人の後援会(会長が申請法人の理事長)の場合でも、同様に考えて問題ないですか。 【第45条1項1号】

 

一般的に、PST判定上の寄附金として取り扱うためには、寄附者が確認(特定)できること、つまり、氏名(法人・団体にあっては、その名称)のみならず、その住所又は主たる事務所の所在地も明確になっていることが必要です。

任意団体であっても名称、住所が、明確に把握できていれば、1者からの寄附金として取り扱って差し支えありません。

また、当該法人の理事長が会長を務める後援会(任意団体)が、寄附をする場合においても、同様に任意団体の名称、住所が明確に把握できていれば、1者からの寄附金として取り扱って差し支えありません。

なお、任意団体の住所の記載に当たっては、事務所などその任意団体専用の活動の拠点があればその所在地を記載すればよいと考えます。

しかし、集合住宅の自治会などは、一般的には事務所等の専用の活動の拠点がない(自治会館や集会場などの共用施設しかない)ことが多いと思われることから、自治会長や自治会役員など、その任意団体を代表して寄附金を支出した者の居住地を記載すればよいものと考えます。

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3-2-8 PSTの判定上、寄附金として取り扱う場合は、寄附者に対して必ず領収書を発行しなければならないのですか。また、認定NPO法人等に寄附した寄附者が寄附金控除を受けるために確定申告を行う場合は、口座振込の控えで足りるのですか。 【第45条1項1号】

 

PSTの判定上、寄附金として取り扱う場合は寄附者の氏名(名称)及びその住所が明確になっていればよく、必ずしも領収書を発行しなければならないわけではありません。ただし、寄附者が所得税法上の寄附金控除の適用を受けるためには領収書が必要となり、口座振込の控えのみでは寄附金控除の適用は受けることができません。

また、法人が発行する領収書については、「認定NPO法人等の名称、所在地、所轄庁からの認定等通知書に記載された番号、認定年月日、受領した寄附金の額及び受領年月日並びにどのような特定非営利活動に係る事業に関連する寄附金であるか」が記載されている必要があります。

なお、認定NPO法人等寄附金特別控除(税額控除)の適用を受けるためには、領収書に寄附者の氏名及び住所も併せて記載されている必要があります。

(参考)
認定特定非営利活動法人等の発行する「寄附金受領証明書」の記載例について

記載例:寄附金受領証明書(PDF形式:81 KB)

解説:記載のポイント(PDF形式:491 KB)

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3-2-9 定款や規約等から判断して、明らかに贈与と認められる会費について、名称の有無にかかわらず、PST判定上、寄附金として取り扱うことができる(手引き 272頁)とされていますが、これは賛助会費のみについてであり、正会員の会費については寄附金として取り扱うことは認められないのですか。認定申請において、「規定の正会費を上回る額を納めた場合にあってはその差額を寄附として扱う」ことを決めた議事録が添付されても、正会費の受領時点で正会費と区分して、差額部分は受取寄附金として受領した経理処理をしていなければ、寄附には当たらないのですか。 【第45条1項1号】

 

明らかに贈与であり、対価性が認められない会費については、「賛助会費」が該当するケースが多いと思われますが、その名称に関わらず対価性が認められない会費については、寄附金として取り扱うことができます。

ただし、正会員の会費は、定款において、総会での表決権が反対給付とされている場合が多く、この場合は、寄附金として取り扱うことはできません。

なお、社員の会費を「1口○○円」と設定し、会費は「1口以上何口でも」と定めている場合で、会費の口数に関係なく表決権が平等であるときは、一口目のみが反対給付部分であり、自由意思で支払われる2口目以降について、支出する側に任意性がありかつ直接の反対給付が無い場合には、2口目以降の会費を寄附金として取り扱うことができます(2口目以降分の受領書を寄附として発行している場合など、区分して経理されている場合に限ります)。

例えば、支払っている20,000円のうち、5,000円が会費であり、残りの15,000円については、社員が任意に納めているもので、かつこれに対して議決権等を与えられるものではなく、また、他に反対給付をしているものではない場合、15,000円の受領書(5,000円×3口)を寄附として発行し、寄附金部分は寄附金用口座に入金するなど、寄附金と会費を明確に区分して経理している場合には、寄附とみなすことができます。

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3-2-10 PSTの判定上、賛助会費を寄附金として計上するためには対価性が認められないことが条件になっています。この対価性について、例えば、10,000円の賛助会費を払えば、施設利用等で5,000円の割引が受けられる場合、対価性はあるものの、その対価はあくまで5,000円の割引部分のみと考えてよいですか。つまり、10,000円の賛助会費から割引分を引いた残りの5,000円分については、対価性がないものとして寄附として取り扱うことはできますか。それとも、賛助会費の一部分の金額であっても対価性が認められれば、その対価が何割であろうと当該賛助会費は寄附金とみなすことはできないのですか。 【第45条1項1号】

 

本件の賛助会員は会費を支払うことにより、会員割引のサービスを得ることができることから、賛助会費には対価性が認められます。

したがって、割引金額の多寡に関わらず、賛助会費10,000円の全額が寄附金として取り扱うことはできないと考えます。

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3-2-11 民間からの助成金を受けている場合で、その募集要項に「助成金を使用した事業については、●●財団助成金であることを明記してください。」といった記載が ある場合は当該財団の広報活動が対価として求められているものであり、対価性のある助成金と考えられますか。また、当該事案が、対価性のある助成金とされる場合であっても、実際に行った事業において、その性質上、「●●財団助成金」という記載がなされず、その旨を当該助成金を出した財団からも了承を得られた場合には、対価性のない助成金と認めてよいですか。 【第45条1項1号】

 

助成金の対価性の有無については、その実態を踏まえて判断することとなりますが、単にパンフレットの隅に 「この活動は●●財団からの助成金により実施しています。」といった程度の記載をしているものであれば、それを以て対価性のある助成金とまでは言えないと考えます。

一方で、大々的なその財団のPRが求められるような場合には、広報活動と認められ、対価性のあるものと認められるのではないかと考えられます。

いずれにしても、助成金の対価性の有無に関しては、実態に即して、「直接の反対給付のあるもの」と認められるか否かにより判断することとなると考えます。

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3-2-12 現在、会員の会費を3,000円と定めていますが、会費を1,000円に変更し、代わりに正会員より2,000円の寄附金を募ることとした場合には、正会員から受領した寄附金はPSTの判定上、受入寄附金総額に含めることができるのですか。 【第45条1項1号】

 

会費を3,000円から1,000円に変更した後、仮に寄附をしなくても、引き続き、表決権や正会員としてのサービスが受けられることが明らかである場合には、2,000円の寄附については、強制されるものではなく、任意性があり直接の反対給付がないものと判断できるため、PSTの判定上、受入寄附金総額に含めることができると考えられます。

しかし、会費を1,000円に変更した後も、会員は必ず2,000円の寄附を支払わなければならないといった定款上の定めがあるなど、その支払いに任意性がないと認められる場合には、2,000円については、PSTの判定上、受入寄附金総額に含めることができなくなります。

なお、こういったケースでは、法人内でのトラブルにつながる可能性もあるため、通常総会等できちんと手続を踏んで社員の了承を得る等の留意が必要ではないかと考えます。

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3-2-13 認定NPO法人等が、「寄附金額が1,000円の寄贈者には粗品Aを、寄附金額5,000円の寄贈者には粗品Bをお渡しします。」という寄附募集を行っている場合、当該寄附募集において受領した1,000円ないし5,000円の金銭をPST上の受入寄附金総額に含めることができるのですか。寄附金に該当しない場合、金銭の提供者は所得控除や税額控除の適用を受けることができないことになりますが、領収書の発行及び内容についてはどのようにしたらよいですか。 【第45条1項1号】

 

当該事例は、粗品の取得を目的として金銭を支払ったとみなされ、「対価性がある」と考えられます。

なお、税制上の優遇措置の適用の対象とならない金銭の受領に際して発行すべき領収書は、通常、一般的な金銭の受取りを証するものであれば、差し支えないものと考えます。

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3-2-14 NPO法人等が寄附者から古本を寄贈(現物寄附)され、当該古本を業者に買い取ってもらったところ5千円に換金できました。この場合、当該古本(現物寄附)の換金額を寄附金としてPSTの判定に含めてよろしいでしょうか。 【第45条1項1号】

 

NPO法人が寄附者からの現物寄附を受け入れた場合には、当該現物寄附が経済的価値のある場合には受入時の時価で適正に評価し、PSTの判定上、寄附金の額に含めることができます。

したがって、お尋ねのような古本を寄附として受領した場合、当該NPO法人は当該古本を業者による換金により時価で適正に評価されたものとして、活動計算書において受取寄附金勘定中の資産受贈益(例えば古本受贈益)として当該金額を計上することにより、PSTの相対値基準又は絶対値基準のいずれにおいても寄附金の額に含めて計算することができます。

なお、現物寄附を受けた法人が認定NPO法人等である場合には、当該認定NPO法人等が寄附者に領収書を発行することにより、寄附者は税制上の優遇措置を受けることができます(Q 3-12-8Q 3-12-6参照)。

(注) NPO法人が受領した現物寄附が、例えば不要となった子どもの洋服(古着)など経済的価値がない場合には、時価ゼロ若しくは備忘価額1円として評価することとなります。

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3-2-15 NPO法人の設立に当たり、当該NPO法人の前身の団体から財産を受け入れた場合には、当該受入財産については寄附として 「総収入金額」及び「受入寄附金総額」に含めて計算してもよろしいのでしょうか。 【第45条1項1号】

 

新たにNPO法人を設立し、その前身の団体が有していた財産をそのまま無償で引き継いだ場合には、新しく設立されたNPO法人と前身の団体とは法律上は別組織と考えられますので、前身の団体からの寄附として取り扱うことになります。

したがって、当該受入財産については、寄附金(受入時の時価)として「総収入金額」及び「受入寄附金総額」に含めて計算することになります。

なお、前身の団体が単なる個人の集合体である場合には、NPO法人に寄附した財産はそれぞれの財産所有者である個人からの寄附となりますので、それぞれの金額の計算を行う際には注意が必要です。

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3-2-16 クレジットカードや振込みなどによる寄附について、PSTの判定上、寄附金として取り扱うことができますか。 【第44条】

 

PSTの判定上、寄附金として取り扱うためには、「氏名(名称)のみならずその住所又は主たる事務所の所在地が明確になっている」ことが必要です。

したがって、クレジットカードや振込みなどによる寄附であっても、氏名(名称)及びその住所が明らかであり、寄附者名簿にも氏名及び住所を記載することができるということであれば、PSTの判定上、寄附金として取り扱うことができます (相対値基準で小規模法人特例を受ける場合は匿名でもPST上の受入寄附金総額に算入することができます)。

PSTの判定上、原則として、受入寄附金は、実際に入金があったときに収益として計上することとしているため、寄附者名簿に記載する寄附金を受け入れる年月日は、実際に「法人への入金があった日(A)」となります。
一方、一定の条件の下、「寄附者が支払いの手続きをした日(B)」をもって法人へ入金されたものとみなし、寄附者名簿に記載する寄附金を受け入れる年月日とすることも可能です。

例)クレジットカードによる寄附の場合
寄附者名簿に記載する寄附金を受け入れる年月日は、原則、クレジットカード会社又は決済代行会社(以下「クレジットカード会社等」という。)から「法人への入金があった日 (A)」となります。
一方、法人において、クレジットカードを利用した寄附が、①支払い手続きの完了によって、クレジットカード会社等から法人へ入金が確実に行われるものであること、及び、②支払い手続き後に、寄附者から一方的なキャンセルが行われないものであること、を確認できる場合は、「寄附者が支払いの手続をした日 (B)」を以て法人へ入金されたものとみなし、寄附者名簿に記載する寄附金を受け入れる年月日とすることも可能です。

なお、寄附者名簿に記載する寄附金を受け入れる年月日を上記(B)とする場合は、
1)寄附者名簿
備考欄等に 「クレジットカード利用(口座入金日●月×日 又は 未収金)」などの記載をしてください。
2)会計処理
決算期までにクレジットカード会社等からの実際の入金がなされていない寄附金がある場合は、計算書類と寄附者名簿の整合を図るため(寄附金額の一致)、会計上、計算書類(貸借対照表等)に「未収金」として計上してください。

確定申告で必要となる寄附金受領証明書の受領年月日については、法人が寄附金を受け入れる年月日として選択した(A)又は(B)の日付と一致させておくと、基準を満たしているかの判断がしやすくなり、認定審査においても円滑に進むことが考えられます。

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3-2-17 特例認定法人になった後に多くの寄附金をいただくことができ、PST基準を満たせそうなので、今度は認定申請を検討しています。この場合、認定申請に当たっての実績判定期間は何年になるのでしょうか。 【第44条3項】

 

実績判定期間は、第44条第3項では、認定を受けたことのないNPO法人が認定を受けようとする場合、「認定申請した日の直前に終了した事業年度の末日以前2年内に終了した各事業年度のうち最も早い事業年度の初日から当該末日までの期間」とされています(イメージは下図をご覧ください)。

その際、既に特例認定法人であっても、あくまでも第44条第1項の認定を受けたことがなければ同様の取扱いとなります。

例えば、1事業年度が1年間であり、過去に認定法人であったことがないNPO法人が、認定申請する際の実績判定期間は、2事業年度分とされています。

なお、過去に認定を受けたことがあるNPO法人の場合は、認定を受けようとする直前に終了した事業年度以前の5事業年度分となります。

イメージ:1事業年度が1年の場合

認定の判定 PST(1号基準:全般)

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3-2-18 NPO法人への寄附金のお礼として、返礼品をお返ししてもよいのでしょうか。その場合、どの程度であればPSTの算入の基礎となる寄附金として取り扱っていいのでしょうか。

 

返礼品をお返しすることは可能です。

例えば、お礼状や活動報告、無料の会報など、また、法人が運営する施設等の作業の一環で作成した手芸品、法人の団体名などを記した簡素な文具など法人の活動を周知するためのものを寄附者にお返しする程度であれば、PSTの算入の基礎となる寄附金として認められると考えます。また、法人が主催する「活動報告会」を寄附者に案内する程度であればPSTの算入の基礎となる寄附金として認められると考えます。

ただし、PSTが広く市民からの支援を受けているかどうかの判断基準であることを踏まえれば、対価性のある返礼品をお返しした寄附金は、PSTの算入の基礎となる寄附金に該当しないと考えます。

したがって、書籍等を発行して、書店で販売しているようなものを寄附金のお礼としてお返しするような場合は、PSTの算入の基礎となる寄附金に該当しない場合があると考えます。

いずれにしても、それぞれの寄附行為ごとに判断することとなりますので、個別のケースにつきましては、各所轄庁に御相談ください。

なお、これらの場合でも食品を返礼品として送付する場合には、食品衛生基準や食品表示基準の遵守が求められる場合がありますので注意が必要です(注)。


(注)食品衛生法、食品表示法においては、食品を販売(不特定又は多数の者に対する無償譲渡含む)する場合は、それぞれ食品衛生基準、食品表示基準が適用されることとなっています。詳しくは、食品衛生基準については、最寄りの保健所、食品表示基準については、消費者庁食品表示企画課(03-3507-8800(代表))にお問い合わせください。

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